「転ぶ」リスク。満身創痍で逝った父
こんにちは。
アラカンの整理収納アドバイザー、今井かおりです。
今日は、老後の準備と片づけについて書いていこうと思います。
私の父は晩年、自宅マンションで介護生活を送っていましたが、食卓から一人掛けのソファ―に戻ろうと立ち上がって歩こうとした時、バランスを崩して転びました。
コロナが流行り始めた2020年1月のことです。
母が在宅していましたが、一部始終を見ていたわけではありません。
そして、認知症の本人はなぜ転んだのか覚えていません。
厚さ数ミリですが、敷いてあったラグに躓いたのか?
食卓近くの家具や椅子の背もたれに掴まろうとして掴みそこなったのか?
ただただよろけたのか?
今となってはわかりませんが、転倒して腰と左手首を骨折。大きな痛手となりました。
転んだ当初、父は痛がって起き上がることができなくて、母は慌てて救急車を呼びましたが、骨折以外は問題がなかったらしく、一度乗った救急車から降ろされることになったと、途方に暮れた母から電話がきました。骨折くらいでは搬送してもらえないと。
父は晩年痩せて小さくなってはいましたが、それでも男性です。同じ80代の母が父を支えて病院まで運べるわけがありません。私がすぐに病院に行くということでお願いして、近くの総合病院にそのまま搬送してもらいました。父は痛がっていましたが、それでも入院はできず、その日の夕方に母と二人で父を背負ってタクシーで帰宅しました。
その後も、動けない生活は続き、母一人では着替えもトイレもできません。私も弟も治るまで実家にいるわけにはいかないので、ケアマネさんに相談してショートステイ先を探してもらいました。
それ以来、父は一度も自宅に戻ることなく、その年の末に再び転んで亡くなりました。ショートステイではなく、介護施設にやっと入所できて5週間後のことでした。
最初に転んで骨折してから1年足らずで逝ってしまいました。
歩行時、高齢になると、自分が思っているほど足が上がっていなくてちょっとした段差に引っかかったり、足が上半身についていけなくて前傾になり、バランスを崩して倒れたりすることがあります。
そんな状態なのに、家のあちこちに跨がなければならない障害物があったらどうでしょう?
床に滑りやすいものが落ちていたらどうでしょう?
若い頃なら転んでも打ち身や擦り傷で治るかもしれませんが、高齢になると骨折しやすくなりますし、なかなか治らない。痛みをこらえて無理な格好で動き、また転倒する。横になって過ごす時間が増えて筋力が衰え、また転ぶ。認知症も進んでしまう。
高齢者にとって「転ぶ」ことは、その後の人生を変えてしまいかねない大きなリスクです。
転ばないように普段から身体を鍛えたり、家の中の障害になりそうなものを撤去しておくことが大切です。
また、バランスを崩しやすくなると、あちこちに掴まろうとします。父は、トイレから立ち上がる時によろけたのか、壁のタオル掛けに掴まり、タオル掛けが抜けて転びました。壁には大穴が開きました。手摺など、掴まって体重をかけても大丈夫なものを早めに設置しておくと安心です。
歳をとると危機管理能力が低下したり、片づけるのが億劫になったり、体力的にできなくなったりするので、周囲の人のチェックも必要です。
家の片づけ、設備の見直しは、安全に直結します。
お読みいただきありがとうございました。
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