80代母の大きな一歩
シニア住宅で暮らす86歳の母がいます。
物が捨てられないのに、買い物が大好き。古くなったから、サイズが合わなくなったからと新しい服を買うのに、古くて窮屈な服は手放しません。誰かにあげれば喜ぶから、と。
ブランド品ならまだしも、86歳が着古した普通の服をもらって喜ぶ人がこの時代に何人いるだろうか。私は死んでももらいません。どんなに高かったのよ!と勧められても。
着ない服がクローゼットを占領し、新しい服はその辺に積まれている始末で、3年前に現在の部屋に引越した時よりだいぶ増えました。
引越といえば、20年以上前になりますが、4人家族の我が家が引越した時のダンボール箱の数が50箱でした。それなのに、一人暮らしの母が53箱。引越しは物を整理する絶好のチャンスなので手伝いに行ったのですが、時すでに遅しで、一人で箱詰めして全部封緘されていました。きっと私に捨てられると察して先回りしたんでしょうね。
母の現居は、約42㎡2DKの2人用居室。一人暮らしの方は25㎠くらいののワンルームが多いのですが、荷物が収まらず2人部屋にしたんです。その部屋にも物が溢れ始め、耐荷重を考えないぎゅうぎゅう詰めのラック、床置きの袋や箱や布団類には危険すら感じます。
足が悪くてよろよろ歩いているのに。
父は転倒が原因で亡くなったのに。
「危ないから片づけない?」と私。
「徐々に私のやり方で片づけるよ」と母。
この会話が何年も続き、2人とも年をとりました!
そんな母が、ワンルームに移動してもいいと言い出しました。
ワンルームに移動するということは、荷物を大量に手放すということ。ただ、現在空室がなく、リクエストを提出するにとどまったのですが、いざとなったら嫌だというかもしれませんが、それでも大きな大きな一歩です。
きっかけはおそらく、昨年、外出先でバランスを崩して転倒し、大きな怪我はなかったものの、手首や腰を痛めたのが辛かったことだと思います。4カ月くらい経ちますがいまだに痛むといいます。
さらに最近の様子を聞くと、掃除が大変になったこと、今まで椅子に座って見ていたテレビをベッドで寝て見たいこと、ベッドとトイレがもっと近くにあるといいということなどがわかりました。元気なようで、身体は年々老いてきているんだなと感じました。
そして、「まだ大丈夫だから」とずっと拒んでいた介護申請も済ませました。
1日でも長く、元気で楽しく過ごすために、現状に合わせて環境を整えることは不可欠だと思います。少し先を見て、早めに動くことが大切です。時間のかかることもありますから。
特に高齢になったら、「まだ大丈夫」「いつかやる」が怪我や病気のリスクに繋がりやすいということを肝に銘じてほしいと思っています。
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
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